この日は、夕方からあらた監査法人の上條さんと食事。上條さんは、もともと金融庁に長年お勤めされていた。私が金融庁でお手伝いをするようになったので、大先輩としていろいろとアドバイスを頂こうと思い、連絡をとった。仕事の仕方はもちろうのこと、組織の歴史や文化まで教えて頂いた。グラスを傾け、いくつかの金融機関との思い出ばなしになる。上條さんは金融庁で検査をする立場で、私はマッキンゼーでコンサルタントとして、同じ金融機関をそれぞれ別の視点でみていたことが次第に明らかになる。金融の世界もIt's a small world.である。つい、この3月に私がPwCを辞するまで2年間おなじファームに勤めていた。今は、上條さんがアドバイザーで、私が金融庁。ふたりの関係はあべこべとなった。つかつはなれず、気づかぬうちに、金融システムの健全化、発展に互いに関わってきたことになる。先達の経験、知恵をまたお伺いしたいと思った。
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