ぽっかりと空いた空間。それは、大手町1丁目1番地1号。かつて、ここには三和銀行東京本部があった。黒い巨大なビルがそこには、聳えていた。今は建て直しのために解体されている。三和からUFJとなり、不良債権問題から三菱に吸収されていった。かつては、収益で1位となった銀行も、1歩先を行くリテール業務を誇った銀行も、今はない。思えば、80年代にコンサルタントになり、世界を席巻した邦銀、90年代の不良債権問題、2000年以降もネットバブル崩壊と、邦銀の栄枯盛衰を見たことになる。ずっと前に前途多難な邦銀の姿を見始めたはずなのに、いざビルという象徴が消えていけば感慨もひとしおとなった。
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