夜の築地場外。昼間の観光客のごった返す光景とは違い、人通りはまばら。長友先生との月例の食事。夜も開いている紀之重は、築地場外の奥の奥にある。親方の寿司の説明を小耳にふたりで静かに寿司を堪能する。これまで出した著書は、印税で献本する本を買い、広告費に投入し、みんな赤字になっていること。そう打ち明けると、長友先生は、どこまで続けられるかが鍵だという。彼の周りの成功した作家たちはみんなそうした壁をのり越えてきたという。確かにそうだと実感する。儲かったおカネを次の仕事にどんどん投入していく。儲けようなんて思ってはいけない。攻めて攻めて攻めまくる。会社の会計はいつだって自転車操業。そうして個人の会社は飛躍していくのではないか、これまでの経験を振り返ると確かにそう実感できる。自転車操業こそ、会社の原動力だと思った。
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