家内は息子を塾に迎えに行くといい、私が久しぶりに夕食をつくることになる。昼のうちに、玉川高島屋で買い出し。茅の舎でお鍋の素をまず買う。醤油だし。そうだ、水炊きにしようと、食肉コーナーで地鶏のモモ肉、野菜売場で京の水菜、翠屋の豆腐を買う。家で家内と息子の帰りをまつものの遅い。パパ、おなか減ったと娘がいう。娘とふたり、先に食べ始めることにする。買ってきた食材を適当に切って投げ込む。男の手料理だ。ぐつぐつと炊き上がり、あっと言う間にできあがり。娘の評判もよし。昔、ストックホルムで一人暮らしをしていた時代に、鍋をつくっていた頃のことをふと思い出す。そもそも、このお鍋もストックホルムで買ったものだ。使い込んで出汁が染みついている。ところどころ、ひび割れもある。あれから20年近く経つ。いろいろな思い出が、この鍋の中で混ざりあっているように見えた。
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