恋愛小説が無性に読みたくなって村上春樹編著の「恋しくて」を手にとった。村上春樹が書いた短編が1作、あと9作は彼の翻訳となる海外の異なる作家によるアンソロジーになっている。それぞれがツイストの効いた恋愛小説になっている。短編小説は、長編と違って詳細説明がない。ないからこそ、読者が勝手に想像して物語を膨らませることができる。それか短編の楽しみ方ではないか。私は、巻頭の「愛し合う二人に代わって」が気に入った。少年の頃のほのかな思い、すこしずつ大人になり自分の気持ちを素直に伝えられるようになる喜び、誰しも経験するような思いが凝縮されている。クリスマス近く、ちょっと心が温まる一編に、出会った。
iPhoneから送信