逢坂剛のスパイ小説イベリア・シリーズをついに読破。それぞれ600ページほどの作品の7部作。3年かけて読み通した。
舞台は第2次世界大戦中の中立国スペインで日独米英入り乱れて繰り広げられる情報戦。主人公の日本人スパイと、イギリス人の女性スパイの関係が面白い。はじめは互いに有利な情報を引き出そうとするが、やがて恋愛関係に。シリーズも、ハードボイルドを期待して読み始めたが、ソフト。思いもよらぬプロットが面白くてついつい読み入ってしまった。
そうしたストーリー展開だけでなく、著者のスペインに関する蘊蓄だけでも、圧倒されてしまう。どうしてそんなこと知ったのだろうという小噺も満載。著者のプロ根性に溢れたエンターテイメント小説だった。