火曜日、渡辺淳一の「無影燈」を原作とするドラマ「白い影」を10話全て見終えた。原作がどのようにドラマ化されているか興味があったから。
原作の主人公の外科医は30代後半と思しき設定。ちょうど作者が医大を辞め東向島の病院に直前まで勤めていた。そのため、どこか隠秘な恋愛が描かれている。ドラマはSMAPの中居正広が主演で当時29歳。彼に合わせるとヒロインは若くなくてはならず、ブレーク直前の竹内結子で当時21歳。そのため、清々しい恋の物語に変わる。
同僚医師は、原作では新米医師で主人公のやり方に疑問を寄せながらも反対できないでいる。ドラマは、29歳の中井に対して新米では対照的ではないためか、同世代の上川隆也を配し、医療に対する見方を対立させている。
普通は原作をいじると、それを消化しきれず凡作に終わることが多い。このドラマは中井を中心にしたキャスティングがらなされ、それぞれの個性を引き出すことで、成功を収めている。製作者たちには脱帽。
また、竹内結子の演技力は素晴らしく、旅立たれたことが悔やまれる。